仏式の葬儀と一言でいっても、宗派がたくさんあり、宗派によって作法に違いがあります。各宗派の簡単な特徴と作法についてまとめてみました。
【天台宗】
宗祖…伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)
本尊…久遠実成無作(くおんじつじょうむさ)の本仏・釈迦如来(しゃかにょらい)・阿弥陀如来(あみだにょらい)・観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)など
読教…阿弥陀経・法華経・光明真言
教え…『妙法蓮華経(法華経)』こそ、仏陀の教えの究極を説いたものとして、この法華経を中心に、菩薩戒・顕教・密教・禅法などを融合した総合仏教。これを「四宗相承」(ししゅうそうじょう)と言い、円・密・禅・戒、そして念仏を法華経の精神で統合していこうというもの。そして、すべての人、生物、存在には仏になる可能性があると教えている。天台宗宗憲には「天台宗は宗祖大師立教開示の本義に基づいて、円教、密教、禅法、戒法、念仏等いずれも法華一乗の教意をもって融合しこれを実践する」とある。
焼香…1~3回 「仏・法・僧」に帰依する意味で3回ともいわれていますが、心をこめて念じ、1回の焼でもよいとされます。
線香…1~3本立てる
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【真言宗】
宗祖…空海
本尊…大日如来(だいにちにょらい)
読教…大日経・金剛頂経
教え…真言密教とも言い、「即身成仏」の教えを根幹。これは密教の修行の実践により、誰でもただちに仏になることができるという教え。密教の修行とは、身体の修行である身密、言葉の修行である口密、心の修行である意密で、あわせて身口意の三密修行と呼ばれている。
焼香…3回 戒香、定香、解脱香の3つを「仏・法・僧」の三宝に捧げる意味で3回行うといわれています。
線香…3本立てる
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【浄土宗】
開祖…法然上人(ほうねんしょうにん)
本尊…阿弥陀如来(あみだにょらい)
読教…浄土三部経(無量寿経(むりょうじゅきょう)、観無量寿経、阿弥陀経)
教え…阿弥陀如来が西方十万億土のかなたにつくられた、浄らかな極楽浄土に往生することを説く教え。阿弥陀如来の救いを信じて「南無阿弥陀仏」と唱えることが大切だと法然上人は教えていて、阿弥陀如来の救いを信じ、南無阿弥陀仏を唱えていると、心も体も清らかになり人生を心豊かに生きぬき、死後浄土に生まれて仏になることができる。浄土に生まれれば、いつまでも浄土に居られるが、仏としてこの世に帰ってきて、まだ救れない人々を救うこともできるというのが、浄土宗の教え。
焼香…1~3回 「真心を込めて一心に」で1回とも「身を静めて1回、心を清めるのに1回」で2回、また「仏・法・僧」への帰依、「過去・現在・未来」の衆生に回向で3回とも言われており、いずれも間違いではなく回数は特にこだわらないとされます。
線香…1~3本立てる
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【浄土真宗本願寺派 / 真宗大谷派】
開祖…見真大師親鸞聖人(けんしんだいししんらんしょうにん)
本尊…阿弥陀如来(あみだにょらい)
読教…浄土三部経(無量寿経(むりょうじゅきょう)、観無量寿経、阿弥陀経)
教え…仏になるには、修行によって煩悩を断ち切り、善根を積むことが必要である、とされているが、現代の私達にとって、それを毎日続けてゆくのは非常に難しいこと。そこで、阿弥陀如来は私達のような者を救おうと誓い、浄土を建立。この浄土に生まれる道を説くのが浄土真宗の教え。浄土真宗では、「阿弥陀如来に帰依すると決めた時点で、誰でも仏になることが約束される」としている。ですから、阿弥陀如来に帰依した後の念仏は仏になるために唱えるのではなく、仏になれた感謝の表現として唱えるもの。自分の修行などによって極楽浄土へ往生しようとする「自力念仏」ではなく、阿弥陀如来を信じ感謝の心とともに唱える「他力念仏」が浄土真宗の念仏。
焼香…本願寺派:1回・大谷派:2回
香を焚く前には合掌しない
香を焚くのは一回のみ。 (大谷派は2回)
香を額に頂くことはいたしません
香が燃えて香りが広がってから仏様に向かって合掌・礼拝
※焼香は、仏様を荘厳し合掌礼拝するための作法。遺族への挨拶は不要。
線香…折って横にする
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【臨済宗】
開祖…明庵栄西(みょうあんようさい)
本尊…釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
※縁によっては、薬師如来や観世音菩薩など
読教…般若心経・観音経 など
教え…臨済宗の教えは、人間が生まれながらに、だれもがそなえている尊厳で純粋な人間性をみずから悟ることによって、仏と寸分も違わぬ人間の尊さを把握するところにある。禅宗なので、坐禅を最も重視。臨済宗の禅は、「看話禅」(かんなぜん)と呼ばれ、師匠が「公案」という問題を出し、弟子はこれを頭だけで理論的に考えるのではなく、身体全体で、理論を越えたところに答えを見いだす。そして、この結果を検証するのが参禅。師匠と二人きりで対面した弟子が、見解を提示し、これを師匠が確かめる。
焼香…1回 香を額におしいただかない
線香…1本立てる
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【曹洞宗】
高祖…承陽大師道元禅師(じょうようだいしどうげんぜんじ)
本尊…釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
読教…般若心経・修証義 など
教え…修行の基本は坐禅。修行は坐禅だけには限らないが、ただひたすらに坐禅を行うこと(只管打坐(しかんたさい))を最も重要に考え、坐禅の心とすがたで、日常生活を生きていく(即心是仏(そくしんぜぶつ))ことを説く。坐禅の力は、必ず個人生活・社会生活に現れる。つまり坐禅と日常生活は一つ(禅戒一如(ぜんかいいちにょ))。日常生活を大切にして、今、ここで生きているかけがえのないいのちを事実のままに生きることこそが、修行であり、この自己の修行がそのまま仏の行であると教えている。
焼香…主に2回 1回目は主香といい、額の高さまでおしいただき仏さまへの正念香。2回目は従香といい、煙が絶えないために行うものといわれていますが、特に回数にはこだわらないとも言われています。
線香…1本立てる
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【日蓮宗】
宗祖…日蓮大聖人(にちれんだいしょうにん)
本尊…大曼荼羅(だいまんだら)
読教…法華経
教え…日蓮宗では釈迦の説いた教えの中でも『法華経』(ほけきょう)こそが、世の中を救う絶対最高の教えであるとする。実際に歴史上に存在したお釈迦さまは「久遠実成(くおんじつじょう)の本仏」が自身を表した姿。久遠実成の本仏とは、永遠の昔に悟りを開いた仏という意味で、法華経も、本仏が経典として、実態を示したもの。法華経を日本に広宣流布した日蓮聖人の教説を通して法華経を理解し、実践していくのが日蓮宗。法華経は本仏の声そのものであり、法華経の功徳すべてが「南無妙法蓮華経」の七文字にこめられていると日蓮聖人は考え、法華経の内容をすべて信じ帰依するという意味の「南無妙法蓮華経」を唱えることを何よりも重要な修行としている。
焼香…1~3回 通常は3回とし、「仏・法・僧」の三宝供養とも「空、仮、中」の三諦にならうともいわれています。
線香…1~3本立てる
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【日蓮正宗 / 法華宗】
宗祖…日蓮 / 日興
本尊…大曼荼羅(だいまんだら)
読教…法華経
焼香…日蓮正宗:3回・法華宗:1~3回
線香…日蓮正宗:1~3本立てる・法華宗:1~4本立てる
【天台宗】
宗祖…伝教大師最澄(でんぎょうだいしさいちょう)
本尊…久遠実成無作(くおんじつじょうむさ)の本仏・釈迦如来(しゃかにょらい)・阿弥陀如来(あみだにょらい)・観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)など
読教…阿弥陀経・法華経・光明真言
教え…『妙法蓮華経(法華経)』こそ、仏陀の教えの究極を説いたものとして、この法華経を中心に、菩薩戒・顕教・密教・禅法などを融合した総合仏教。これを「四宗相承」(ししゅうそうじょう)と言い、円・密・禅・戒、そして念仏を法華経の精神で統合していこうというもの。そして、すべての人、生物、存在には仏になる可能性があると教えている。天台宗宗憲には「天台宗は宗祖大師立教開示の本義に基づいて、円教、密教、禅法、戒法、念仏等いずれも法華一乗の教意をもって融合しこれを実践する」とある。
焼香…1~3回 「仏・法・僧」に帰依する意味で3回ともいわれていますが、心をこめて念じ、1回の焼でもよいとされます。
線香…1~3本立てる
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【真言宗】
宗祖…空海
本尊…大日如来(だいにちにょらい)
読教…大日経・金剛頂経
教え…真言密教とも言い、「即身成仏」の教えを根幹。これは密教の修行の実践により、誰でもただちに仏になることができるという教え。密教の修行とは、身体の修行である身密、言葉の修行である口密、心の修行である意密で、あわせて身口意の三密修行と呼ばれている。
焼香…3回 戒香、定香、解脱香の3つを「仏・法・僧」の三宝に捧げる意味で3回行うといわれています。
線香…3本立てる
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【浄土宗】
開祖…法然上人(ほうねんしょうにん)
本尊…阿弥陀如来(あみだにょらい)
読教…浄土三部経(無量寿経(むりょうじゅきょう)、観無量寿経、阿弥陀経)
教え…阿弥陀如来が西方十万億土のかなたにつくられた、浄らかな極楽浄土に往生することを説く教え。阿弥陀如来の救いを信じて「南無阿弥陀仏」と唱えることが大切だと法然上人は教えていて、阿弥陀如来の救いを信じ、南無阿弥陀仏を唱えていると、心も体も清らかになり人生を心豊かに生きぬき、死後浄土に生まれて仏になることができる。浄土に生まれれば、いつまでも浄土に居られるが、仏としてこの世に帰ってきて、まだ救れない人々を救うこともできるというのが、浄土宗の教え。
焼香…1~3回 「真心を込めて一心に」で1回とも「身を静めて1回、心を清めるのに1回」で2回、また「仏・法・僧」への帰依、「過去・現在・未来」の衆生に回向で3回とも言われており、いずれも間違いではなく回数は特にこだわらないとされます。
線香…1~3本立てる
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【浄土真宗本願寺派 / 真宗大谷派】
開祖…見真大師親鸞聖人(けんしんだいししんらんしょうにん)
本尊…阿弥陀如来(あみだにょらい)
読教…浄土三部経(無量寿経(むりょうじゅきょう)、観無量寿経、阿弥陀経)
教え…仏になるには、修行によって煩悩を断ち切り、善根を積むことが必要である、とされているが、現代の私達にとって、それを毎日続けてゆくのは非常に難しいこと。そこで、阿弥陀如来は私達のような者を救おうと誓い、浄土を建立。この浄土に生まれる道を説くのが浄土真宗の教え。浄土真宗では、「阿弥陀如来に帰依すると決めた時点で、誰でも仏になることが約束される」としている。ですから、阿弥陀如来に帰依した後の念仏は仏になるために唱えるのではなく、仏になれた感謝の表現として唱えるもの。自分の修行などによって極楽浄土へ往生しようとする「自力念仏」ではなく、阿弥陀如来を信じ感謝の心とともに唱える「他力念仏」が浄土真宗の念仏。
焼香…本願寺派:1回・大谷派:2回
香を焚く前には合掌しない
香を焚くのは一回のみ。 (大谷派は2回)
香を額に頂くことはいたしません
香が燃えて香りが広がってから仏様に向かって合掌・礼拝
※焼香は、仏様を荘厳し合掌礼拝するための作法。遺族への挨拶は不要。
線香…折って横にする
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【臨済宗】
開祖…明庵栄西(みょうあんようさい)
本尊…釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
※縁によっては、薬師如来や観世音菩薩など
読教…般若心経・観音経 など
教え…臨済宗の教えは、人間が生まれながらに、だれもがそなえている尊厳で純粋な人間性をみずから悟ることによって、仏と寸分も違わぬ人間の尊さを把握するところにある。禅宗なので、坐禅を最も重視。臨済宗の禅は、「看話禅」(かんなぜん)と呼ばれ、師匠が「公案」という問題を出し、弟子はこれを頭だけで理論的に考えるのではなく、身体全体で、理論を越えたところに答えを見いだす。そして、この結果を検証するのが参禅。師匠と二人きりで対面した弟子が、見解を提示し、これを師匠が確かめる。
焼香…1回 香を額におしいただかない
線香…1本立てる
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【曹洞宗】
高祖…承陽大師道元禅師(じょうようだいしどうげんぜんじ)
本尊…釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
読教…般若心経・修証義 など
教え…修行の基本は坐禅。修行は坐禅だけには限らないが、ただひたすらに坐禅を行うこと(只管打坐(しかんたさい))を最も重要に考え、坐禅の心とすがたで、日常生活を生きていく(即心是仏(そくしんぜぶつ))ことを説く。坐禅の力は、必ず個人生活・社会生活に現れる。つまり坐禅と日常生活は一つ(禅戒一如(ぜんかいいちにょ))。日常生活を大切にして、今、ここで生きているかけがえのないいのちを事実のままに生きることこそが、修行であり、この自己の修行がそのまま仏の行であると教えている。
焼香…主に2回 1回目は主香といい、額の高さまでおしいただき仏さまへの正念香。2回目は従香といい、煙が絶えないために行うものといわれていますが、特に回数にはこだわらないとも言われています。
線香…1本立てる
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【日蓮宗】
宗祖…日蓮大聖人(にちれんだいしょうにん)
本尊…大曼荼羅(だいまんだら)
読教…法華経
教え…日蓮宗では釈迦の説いた教えの中でも『法華経』(ほけきょう)こそが、世の中を救う絶対最高の教えであるとする。実際に歴史上に存在したお釈迦さまは「久遠実成(くおんじつじょう)の本仏」が自身を表した姿。久遠実成の本仏とは、永遠の昔に悟りを開いた仏という意味で、法華経も、本仏が経典として、実態を示したもの。法華経を日本に広宣流布した日蓮聖人の教説を通して法華経を理解し、実践していくのが日蓮宗。法華経は本仏の声そのものであり、法華経の功徳すべてが「南無妙法蓮華経」の七文字にこめられていると日蓮聖人は考え、法華経の内容をすべて信じ帰依するという意味の「南無妙法蓮華経」を唱えることを何よりも重要な修行としている。
焼香…1~3回 通常は3回とし、「仏・法・僧」の三宝供養とも「空、仮、中」の三諦にならうともいわれています。
線香…1~3本立てる
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【日蓮正宗 / 法華宗】
宗祖…日蓮 / 日興
本尊…大曼荼羅(だいまんだら)
読教…法華経
焼香…日蓮正宗:3回・法華宗:1~3回
線香…日蓮正宗:1~3本立てる・法華宗:1~4本立てる
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